「海外を旅しながら働く」という生き方は、特別なものではなくなってきています。
仕事はオンラインで完結し、拠点は数週間〜数ヶ月ごとに変わる。そんな生活が実現可能な世の中になり、自分自身もそれを体現する一人です。
この記事では、実体験をもとに、海外ノマドとして生活するために必要な準備や考え方、現実的なコスト感、働き方についてまとめました。
憧れだけで終わらせず、自分に合うかどうかを判断する材料として読んでみてください。
海外ノマドとは?
海外ノマドとは、定住先を持たず海外を転々としながら生活する人のことを指します。
主にエンジニアやライター、デザイナー、マーケター、IT関係といったオンライン上で完結する仕事をして、収入を得ながら、数週間〜数ヶ月単位で拠点を移します。
海外現地就職や海外駐在とは違い、観光ビザやデジタルノマドビザなどを活用し、一時的に滞在する生活スタイルが特徴です。
2019年時は73,000人だったデジタルノマド人口が、2024年時点には181,000人まで増加していることが観光庁 調査報告書にも記されています。
自分の場合は、「日本との時差」「乾季」「海沿い」が滞在先を決める上での主なポイントですが、他にも「物価」や「英語がどれくらい通じるか」、「ネット環境」など様々な判断材料があります。
海外ノマドの人気滞在先
- バリ(インドネシア)
- ダナン(ベトナム)
- フーコック(ベトナム)
- タイ
- マレーシア
- ジョージア
- ポルトガル
- スペイン
- メキシコ など
ノマドという言葉の由来は本来、遊牧民を意味する『Nomad』からきています。
どこかに定住せず、移動しながら生活するスタイルが遊牧民のようであることから『ノマド』と呼ばれています。
海外ノマド実現までの3STEP

これから海外ノマドとして生活したい方や検討中の方は、実現に向けて以下の3ステップを意識してみてください。
人によってステップの前後はありますが、この3つが海外ノマド生活実現における重要な要素になります。
1.収入の柱を作る
まずは生活を支えるための収入作りが必要です。
仕事探しは渡航前でも渡航してからでも構いませんが、収入や所持金によって滞在できる国や地域も変わってきます。
海外ノマド生活を送る上で、収入がどれくらいあるかは生活スタイルの選択肢や精神的な余裕の面でかなり重要です。
2.滞在先のプランを大まかにまとめる
半年先や1年先のプランを決める必要はありませんが、ある程度、どの国や地域に行きたいか、または経済面・ビザ面でどこに行けるかをあらかじめリサーチしておくのがおすすめです。
この段階のプラン次第で、どれくらいの収入が必要かが明確になりますが、特に強いこだわりがなければ、収入に応じて行き先を決めるという方法も可能です。
一部、国や地域は事前にビザ申請が必要な場合もあるので、要チェックです。
3.滞在拠点をおさえる
行き先が決まったら、現地での滞在先を探しましょう。
数ヶ月単位で滞在する場合には、現地不動産会社よりもAirbnb/Facebookなどのアプリが有効です。物件によっては長期滞在割引なども適用されるので、予算や割引条件に応じて滞在期間を調整すると少しお得に滞在できるかもしれません。
ある程度の大きさの都市であれば、コワーキングスペースを完備している宿泊先やレンタルオフィスも存在するので、宿泊先は低コストに抑えて仕事は快適にできるという環境も実現します。
海外ノマドの生活費|東南アジアの場合
東南アジアを拠点にノマド生活を送っている自分自身の生活費は約20〜25万円/月です。
ちなみにこの金額は、特に切り詰めた生活をしているわけではないので、最小限に抑えようと思えば、費用を抑えることは可能です。
東南アジアノマド生活の支出割合

上記のように、支出の半分を家賃が占めます。しかし、これを削るのは現実的ではありません。
基本的に海外ノマドは短期契約で家を借りることになるので、AirbnbやBooking.comもしくはFacebookなどを通して探すことが一般的ですが、1年〜数年契約に比べて家賃が割高になります。
さらに、デスクやチェアなど仕事ができるスペースとネット環境が整っていないと収入に支障をきたすため、そういった条件も捨てられません。そうすると比較的物価の安い東南アジアでも月に7〜12万円程度の家賃がかかります。
食費に関しては、キッチン付きの滞在先であれば自炊も可能ですが、東南アジアのローカルマーケットの場合、1食200〜500円程度で済ませることができるので、自炊も外食も大きく変わらない印象です。
滞在先で観光を楽しめるのも海外ノマドの醍醐味ですが、ここで娯楽費が発生します。
自分自身はあまり観光しないタイプですが、日本やその他の国から友達が遊びに来てくれたタイミングなどでは現地の観光スポットを訪れたり、アクティビティに参加します。物価の安い国であっても観光関連の場所やアクティビティは決して安くないことが多いです。
その他の出費には、現地通信費・サブスクリプションの支払い・雑費が含まれます。数ヶ月に1度移動するタイミングでは、+飛行機代も加算されます。
予算によって滞在先は限定される
海外ノマドとして場所や時差に囚われることなく移動・生活ができるスタイルを確立できても、それなりの収入がなければ滞在できる国や地域は限られます。
例えば、東南アジアの場合20〜25万円で何不自由なく生活できても、ヨーロッパの場合、この金額ではかなり切り詰めた生活を余儀なくされます。
リモートワークは出来ても予算の都合上、滞在先が限定されるというのも現実的に起こり得る話です。
海外ノマドを実現するための働き方
海外ノマドを実現する上で避けては通れないのが仕事(収入)です。
自分自身は元々ヨーロッパの会社で正社員として働きながら、リモートワークで旅をしていましたが、2024年からコンサルタント契約(業務委託契約)に切り替え、フリーランスとして海外ノマド生活をスタートしました。
現在は日本の企業を中心にいくつかのクライアントを掛け持ちしているフリーランスですが、いずれも業務委託契約でリモートワークが可能なため、この生活が実現しています。
海外ノマドになるための業種選択
海外ノマドを実現するためにはIT関連などパソコン1つで場所に捉われず働く必要があります。
ノマド生活をしている人の中でも、特に多いと感じる職業は
- エンジニア
- ウェブデザイナー
- ライター
- マーケター
などといった職種です。これらの職業は専門性や経験も求められるため、もう少し難易度を下げたい方は「カスタマーサポート」という選択肢もあります。
しかし、日本企業の多くはフルリモートを好まないことが多いので、日本語話者を探している海外企業が狙い目かもしれません。
海外ノマドになるための雇用形態
実は、海外ノマド生活中に無職の期間も経験したことがあります。
そこで学んだことは「正社員で海外ノマドは難しい」「ノマド希望なら業務委託契約」「リモート可でも国内限定が多い」ということです。
海外ノマドを目指すなら『海外リモート可で業務委託契約』を結ぶのが確実です。
他にもやり方はあるはずですが、自分の知識の範囲内で最もシンプルな海外ノマドの形はフリーランスとして業務委託契約を結ぶことです。
海外ノマドに必要なビザ|観光ビザ・ノマドビザ

海外ノマドとして生活する上で、ビザも考えなくてはいけない要素の1つになります。
自分自身は観光ビザの範囲内で滞在していますが、国によってはデジタルノマドビザも発行されており、一定の収入条件などを満たせば、数年単位で特定の国や地域に滞在できます。
観光ビザでの滞在
観光ビザでの滞在は国によって滞在できる期間が異なります。
幸いにも日本のパスポート保有者はビザなしで渡航・滞在できる国が多いので、国選びには困らないはずです。しかし、国や地域によってルールが違うので、渡航前にリサーチが必要です。
例えば、ヨーロッパ(シェンゲン加盟国)には90日まで滞在できますが、過去180日のうち90日となるので、90日滞在後、さらに90日が経過するまでヨーロッパへの再入国はできません。
ベトナムがノマドワーカーに人気の理由の1つは90日の滞在後、1度出国して再度観光ビザを申請すれば、新たに90日の滞在が可能ということです。(2026年1月現在)
ビザはオンライン申請可能で25ドル(シングルエントリー)を支払うと、3日〜7日程度で受け取れます。
詐欺サイトも存在するので、申請の際は必ずベトナム政府公式e-Visaサイトから手続きを行なってください。
デジタルノマドビザの活用
現在、約50以上の国がデジタルノマドビザを発行しています。
収入や犯罪歴の提出、保険への加入など国ごとにルールは様々です。
例えば、デジタルノマドの聖地として知られるインドネシア・バリ ノマドは年収60000USD(約1千万円)を証明できれば、1年間の滞在が可能です。
マレーシアの場合は年収24000USD(約400万円)で1年間(+1年間延長可能)滞在ができます。
この他にもマルタ共和国では年収42000€、スペインでは月収2300€、ポルトガルで月収3480€など様々です。
海外ノマドのメリット・デメリット

一見キラキラした生活のように見える海外ノマドですが、実際に体験するとメリットだけでなくデメリットにも直面します。
ノマド生活を検討されている方は、まずメリットとデメリットを両面から確認しておきましょう。
海外ノマドのメリット
- 物価の安い国を選んで生活費を抑えられる
- 気候に合わせて好きな滞在先を選べる
- プチ移住を体験できる
このように、憧れだった国やお気に入りの国、ベストシーズンを迎える地域を転々としながら生活ができます。
さらに、物価の安い東南アジアの国や地域を拠点にすれば、収入はそのままでも生活水準を上げることができます。
海外ノマドのデメリット
- 数ヶ月単位で引越しが必要
- 荷物を増やせない
- ネット環境を気にする必要がある
ノマド生活をしていると、拠点を移す機会が増え、引越しの回数も比例して増えます。荷物の移動はもちろん、新しいアパートやホテルを探すのもストレスになってきます。
引越しと飛行機移動などを考えると荷物を増やせないというのもデメリットになるかもしれません。
また、ノマドとして収入を得るにはネット環境が必要不可欠になるので、ネット環境が整備されていない田舎などでの滞在は制限されます。
まとめ|海外ノマドは実現可能な選択肢の1つ
海外ノマドは、自由である一方、収入やビザ、移動など現実的な条件の上に成り立つ生き方です。
物価や気候に合わせて拠点を選び、リモートワークで収入を得ることで、旅をしながら暮らすことが可能になります。
向き・不向きはありますが、「人生は今いる場所にある」そう感じられる人にとって、海外ノマドは有力な選択肢になるはずです。


