「風景写真は得意だけど、人物が入ると難しい」「旅先の感動を“その人らしく”切り取りたい」——そんなあなたへ。この記事では、旅写真において“人物と風景”を自然にバランスよく撮るための考え方とテクニックを、実際の撮影経験をもとにまとめました。写真に“感情”が宿る構図術を学びましょう。
なぜ人物×風景の写真が難しいのか?
- 人物が主役すぎると「ただの記念写真」に見える
- 風景を強調すると「人が邪魔」に見える
- 感情が伝わらないと“旅らしさ”が薄れてしまう
→ だからこそ、構図と空気感のバランスが大切。

構図のコツ|風景の中に“感情”を置く
1. 三分割構図をベースにする
- 風景を3分割し、人物を端に配置
- 視線の抜けや奥行きが生まれ、自然な余白ができる
2. 日の丸構図も“主役感”を出すには効果的
- あえて中央に人物を配置することで、力強い印象に
- 背景が左右対称だったり、情報が少ない場面に適している
3. 背中ショットを活用する
- カメラ目線ではなく、風景を見つめる後ろ姿は「その場の空気感」を写し出す
- 顔が見えないことで、見る人が感情を投影しやすくなる
4. アクションを入れる(歩く/見上げる/笑う)
- 動きを加えると写真に“ストーリー”が生まれる
- シャッタースピードは1/250〜1/500程度で表情をしっかり残す
光の使い方で印象はガラッと変わる

◯ 順光(正面から光)
- 被写体の顔がしっかり明るく写る
- 明るくフラットな印象だが、陰影は少なめ
◯ サイド光(横からの光)
個人的に人を撮影するときはサイド光を一番利用しているかもしれません。
- 立体感が生まれ、表情や服の質感が豊かに出る
- 午前中や夕方など、斜光になる時間帯が理想的
◯ 逆光(後ろから光)
夕方の撮影やシルエット撮影などでよく利用します。
- フワッとした雰囲気やシルエットを演出できる
- ハレーションや光芒が入ると、旅らしい柔らかさを表現しやすい
- フード・露出補正・RAW現像で仕上がりを調整
撮影シーン別の構図アイデア
◯ 山や海など広大な場所では:
- 広角レンズで風景を広く入れ、人物は小さめに
- 足元や影を入れるとスケール感が伝わる
◯ 街並みや路地裏では:
- 縦構図+人物アップで“旅の雰囲気”を凝縮
- 壁や建物の直線を活かして奥行き感を演出
◯ 朝夕の光が美しい時間帯:
- 逆光を活かして“シルエット+光芒”を狙う
- ホワイトバランスを「曇天」設定で温かみUP
“自然な表情”を引き出すには?
- 声をかけ続けながら撮る:「あと3枚だけ!」「ちょっとこっち見て!」
- あえて目線を外す:「今、何考えてるの?」と聞くと表情がやわらぐ
- シャッター音を消して連写で撮る:緊張せず自然な動きが出る
カメラ設定の基本(旅スナップ向け)
とりあえず、これだけ覚えておけば大丈夫!
旅先で人を撮る時の設定!
F値:f2.8〜5.6(背景を少しぼかす)
シャッタースピード:1/250〜1/500(動きある表情に対応)
ISO:100〜400(明るさに応じて自動可)
ホワイトバランス:晴天/曇天切り替え
※被写体との距離によって背景ボケの強さが変わるので、35mm〜50mm相当の画角が使いやすい
旅写真でおすすめの画角:35mm
僕が旅先で人を撮影するときによく利用していたのが 35mm という画角です。
この画角は標準レンズと呼ばれる画角ですが、50mmよりも広角でその場に存在する人を表現するのに一番利用できます。
コツは何を主題で、何を副題にするかをしっかり考えること!
欲張りすぎるとごちゃごちゃした写真になってしまいます。
- 人と風景を絶妙なバランスで収めやすい万能な画角
- 広すぎず狭すぎず、構図の整理がしやすく“空気感”も写せる
- フルサイズ換算で35mmは、旅スナップの“標準レンズ”として非常に人気
僕が利用していたレンズ
SIGMA 35mmF1.4
カメラのミツバ
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まとめ|風景と人の“共鳴”が、旅写真を物語に変える

人物を風景の“中に置く”のではなく、その人が風景と“共鳴している瞬間”を探すことが、旅先での印象的な1枚につながります。
旅の記録を、誰かの記憶に残る写真に変えるために。
シャッターを押す前に、空気と感情を感じてあなただけの1枚を撮影してみてください。