はじめに|「どこでも働ける自由」を叶えるには
「好きな場所で暮らすように働きたい」
そんな想いから、筆者は車中泊で日本を巡りながら、リモートワークを続けてきました。
朝は山の中で鳥の声を聴きながらPCを開き、夜は海辺の駐車場で満天の星の下、仕事を仕上げる
そんな自由な働き方には憧れがありました。
けれど、いざ始めてみると最大の壁になったのが「ネット環境」。
この記事では、移動生活をしながら安定した通信を確保するためのリアルな工夫と、おすすめのアイテムを紹介します!
1. 車中泊リモートワークの最大の壁は「通信環境」

自由な移動×仕事には、安定したネット回線が不可欠です。
しかし、山間部・海辺・キャンプ場では電波が弱く、Zoomが切れる、クラウドが開かない……といった場面に何度も直面しました。
💡車中泊でよくある通信トラブル
- モバイルWi-Fiの電波が届かない
- スマホのテザリングが遅すぎて会議に間に合わない
- キャンプ場にWi-Fiなし、カフェも近くにない
こうした問題にどう対応するかが、旅を続ける上でのカギになります。
2. 通信手段3選|車中泊ワークに使えるネット環境
① モバイルWi-Fi|都市部や郊外では十分
筆者がメインで使用していたのは、容量無制限のモバイルWi-Fi。
通信速度やエリアの広さを重視するなら、以下のようなポイントをチェックしましょう:
- 対応回線(Softbank/au/docomo)
- クラウドSIMタイプより物理SIMの方が安定
- 通信制限があるかどうか
例)U3(クラウドSIM)・FUJI Wi-Fi・Mugen WiFiなど
② スマホのテザリング|サブ手段として有効
スマホのデータ容量に余裕があれば、テザリングも便利。
ただしZoomや動画送信には不安が残るため、あくまで補助的な手段として使いましょう。
- 大容量プラン(20〜50GB)にしておくと安心
- USB接続で安定性が増すことも
③ Starlink(スターリンク)|本気で“どこでも”働きたい人に

山奥・離島・キャンプ場——どこにいても高速通信を可能にするのが、**衛星インターネット「Starlink」**です。
近年注目を集めているのが、SpaceX社が提供する衛星インターネットサービス「Starlink(スターリンク)」です。これは地球低軌道に配置された多数の衛星を使って、高速かつ低遅延の通信を可能にする次世代のインターネット回線。
日本では2022年10月にサービスを開始し、現在では全国のほぼすべてのエリアで利用可能です。特に山間部や電波の届きにくい地域でも安定した通信ができるため、モバイルWi-Fiが不安定な場面で非常に頼りになります。
▶︎ Starlinkの魅力
- 日本全国でほぼ使用可(山間部・海辺でもOK)
- ダウンロード:160〜250Mbps
- アップロード:20〜40Mbps
- 遅延:約20〜50ms(Zoomも問題なし)
▶︎ 費用の目安
現在の主なプランは以下の通りです:
- レジデンシャルプラン(固定利用):月額6,600円(税込)
- ROAMプラン(移動利用):月額11,500円(税込)
- 初期費用:約55,000円(アンテナ+ルーター)
アンテナは空が開けた場所に設置する必要がありますが、車の屋根や近くの空き地に工夫して設置すれば、車中泊でも使用可能です。移動中の通信は現在制限がありますが、停車中に安定したネット環境を確保したい人にとっては、有力な選択肢となるでしょう。
導入コストはやや高めですが、「どこでも働ける自由」を手に入れたい人にとって、Starlinkは非常に心強いパートナーです。
👉 詳細や提供エリアの確認はStarlink公式サイトをご覧ください。
- 「Starlink」はイーロン・マスク率いるSpaceXが提供する衛星インターネットサービス
- 電波の届きにくい山間部や離島でも安定した高速通信が可能
- アンテナとバッテリーを設置すれば車内でも使用可能で、フルリモートの強力な味方に
- 初期費用はやや高め(10万円前後)が、電波に左右されない“どこでも仕事ができる自由”を手に入れたい人には有力な選択肢
3. 現場で実践した「通信ストレスを減らす工夫」
📍場所の選び方
- カフェやファミレス:長居OKな店をリストアップしておく
- 道の駅や図書館:Wi-Fiの有無を事前に確認(自治体のHPが便利)
- 車内作業:助手席に簡易デスク設置+スマホホルダーを活用
🛠持っておくべき通信まわりアイテム
車中泊で働く中で欠かせなかったのが、ポータブル電源の存在です。PCやスマホ、Wi-Fiルーターの充電はもちろん、カメラ機材の電源にも大活躍。
- モバイルWi-Fi(大容量)
- ポータブル電源+ソーラーパネル
- スマホスタンド+充電ケーブル複数
- USBタップ(PD対応)で同時充電を快適に
とくにJackeryのポータブル電源は、軽さと容量のバランスがちょうどよく、旅の相棒としてぴったりでした。
4. どうしても電波が届かないときの“逃げ場”
- ネットカフェ(快活CLUBなど):Wi-Fi・電源・飲み物・シャワー完備
- 道の駅:短時間だけならベンチ作業もあり
- 図書館・公共施設:観光地にも意外と穴場あり
- 地元の人に聞く:電波が届きやすいカフェや休憩所を教えてくれることも
5. おわりに|自由の裏には「仕組み」がある

「好きな場所で暮らすように働く」ことは、決して夢物語ではありません。
けれどその自由を実現するには、ネット環境を含めた“働ける仕組み”づくりが必要不可欠。
電波がある場所を把握すること。複数の通信手段を持っておくこと。そして、焦らない心の余裕を持つこと。
それが「どこでも働ける旅」を、もっと心地よいものにしてくれます。