島の出会いと、山頂の奇跡。忘れられない利尻島5日間の旅

旅のストーリー
旅のストーリー

2023年6月末、日本一周中だった僕は友人とふたりで北海道の離島・利尻島を旅しました。
最初の目的地は、実は隣の礼文島。
しかし、到着したその日はあいにくの雨。

景色も見えず、気持ちも沈みがちになっていた私たちは、その日の午後、予定を変更して利尻島へと渡ることにしました。

あの判断が、今思えば「忘れられない旅」の始まりでした。


小さなキャンプ場から広がった出会いと冒険

利尻島での拠点に選んだのは、「利尻ファミリーキャンプ場ゆ〜に」でした。
鴛泊(おしどまり)港からほど近く、すぐ隣には天然温泉「利尻ふれあい温泉」があります。

夕方になると地元のキッチンカーがやってきて、温かいごはんや飲み物も楽しめる、とても居心地の良いキャンプ場です。

何より印象に残っているのは、ここでの出会いです。
夏の間は利尻島で過ごすのが定番だという方とキャンプ場で出会ったことがきっかけで、
利尻昆布のバイトをするためにやってきた人や、バイク旅をしている人、他にも様々な方と自然に言葉を交わすことができました。

気づけば一緒に食事をし、語り合い、笑い合い、翌日の登山計画を立てるまでになっていました。

知らない土地で、初めて出会った人と一緒に過ごす時間。
それはとても贅沢で、あたたかいものでした。


ラーメン「味楽」で心も体もあたたまる

利尻島でぜひ味わっていただきたいのが、名店「味楽(みらく)」のラーメンです。
鴛泊港から徒歩15分ほど。開店前から行列ができるほどの人気ぶりで、店内は木のぬくもりに包まれた、落ち着いた空間でした。

私がいただいたのは、一番人気の「焼き醤油ラーメン」
利尻昆布から丁寧にとった出汁に、香ばしく焼かれた醤油の風味が加わり、スープを一口すすると体の芯からじんわりと温まりました。もちもちの麺と旨みたっぷりのスープが絡み合い、旅の疲れもどこかへ吹き飛んでしまうような美味しさでした。

旅の途中で食べるラーメンは、どうしてこんなにも心に残るのでしょうか。
「味楽」の一杯は、今でも思い出すだけで幸せな気持ちになります。


島の恵み、ウニとビールのごちそう

利尻島といえば、やっぱりウニも外せません。
島のあちこちで販売されている採れたてのウニは、

利尻昆布を食べて育った、濃厚な甘みが特徴です。
私はウニの握りとして2種類のウニを味わいましたが、まるで“海のプリン”のような口どけに感動しました。

夕暮れ時、キャンプ場に戻って仲間たちとビールを片手に語らう時間。
「明日、山が晴れるといいね」
そんな何気ない会話が、旅の思い出に深く刻まれていきます。


雨の中の利尻富士登山。山頂で出会った奇跡

利尻島の中央にそびえる利尻富士(標高1,721m)は、島の象徴ともいえる存在です。
私たちが登山を予定していた日もまた、天気はあまり良くありませんでした。

ですが、せっかくここまで来たのだからと、覚悟を決めて登り始めることにしました。

ぬかるんだ登山道を一歩ずつ、雨と風に耐えながら進みます。
登山は正直慣れていましたが、標高差がすごく、途中で何度も足が止まりそうになりました。

でも一緒に登っている仲間たちの存在が心の支えになりました。

そして、ついに山頂へ到着。
その瞬間、空がふわりと明るくなり、目の前の雲がさっと晴れていきました。

眼下にはぐるりと囲む海と島の景色。
その光景に言葉を失い、ただただ立ち尽くしていました。あのとき見た空と海の青さは、今でも忘れることができません。


祭りと温泉、最後の夜のやさしさ

滞在中には、偶然にも島の小さなお祭りに出会うことができました。
地元の若者が元気に神輿を担ぎ、子供から高齢の方が一緒に祭りを盛り上げていました。
おばあちゃんたちが笑顔で話しかけてくれる。

そこには温かくて、素朴で、どこか温かい時間が流れていました。
やはり僕は小さな田舎が好きだなと再確認できたそんな瞬間でした。

温泉にも何度もお世話になりました。
「利尻ふれあい温泉」は、露天風呂付きの施設で、登山の疲れをゆっくりと癒すことができます。キャンプ生活の中に、こんな贅沢な時間があることに、心から感謝したくなりました。


🗒 利尻島旅のまとめ

  • アクセス:稚内港からフェリーで約1時間40分(礼文島からの移動も可能)
  • 宿泊:「利尻ファミリーキャンプ場ゆ〜に」がおすすめ(温泉・キッチンカーあり)
  • グルメ
    • 「味楽」の焼き醤油ラーメンは必食
    • 朝獲れウニは島でしか味わえない贅沢
  • 体験
    • 利尻富士登山(天候に注意、登山装備必須)
    • 地元の夏祭りや温泉もぜひ楽しんで!

🗒 利尻島・旅の立ち寄りスポット一覧

  • 利尻ファミリーキャンプ場ゆ〜に
     北海道利尻郡利尻富士町鴛泊字栄町
     営業期間:5月1日~10月31日
     料金:大人:520円、子ども・身障者:310円
     アクセス:鴛泊港から徒歩約15分
     URL:https://www.north-hokkaido.com/spot/detail_1112.html
  • ラーメン味楽(みらく)
     北海道利尻郡利尻町沓形字富士見町67
     営業時間:11:30~14:00(売り切れ次第終了)
     定休日:木曜日
     アクセス:沓形港から徒歩約10分
     URL:https://hirmiraku.com/home/店舗紹介/
  • 利尻富士温泉
     営業時間:12:00〜21:00
     定休日:水曜日
     入浴料:大人500円
     アクセス:キャンプ場から徒歩1分
     URL:https://www.town.rishirifuji.hokkaido.jp/rishirifuji/1204.htm
  • 利尻富士町観光協会
     北海道利尻郡利尻富士町鴛泊港町227-5(鴛泊フェリーターミナル内)
     営業時間:8:30〜17:00
     Web:https://www.rishiri-fuji.jp

島に触れ、心がほどけた旅

自然と出会い、人のぬくもりに触れる旅。それが、私の利尻島での5日間でした。

今思い出しても鮮明に光景が蘇ってきます。


何か大きな出来事があったわけではありませんが、ひとつひとつの瞬間が心に残り、静かに自分の中に積もっていったように感じます。

あの島の空気、山頂で見た景色、キャンプ場での語らい、そして味楽のラーメン。
すべてが、旅のかけがえのない宝物です。

【Webライター・旅人・フォトグラファー】
2022年10月〜2024年3月:
車中泊で47都道府県制覇!旅をしながら300名以上の笑顔を撮影!
2024年9月〜現在:オーストラリアで生活中

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