レトロな街並みと九つの外湯を歩く、渋温泉の“温泉時間”

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ライター
momo

本州を中心に車中泊旅やNZバックパッカー旅を経験。
現在は温泉地に暮らし、家族で温泉やアウトドアを満喫中。
旅や暮らしの瞬間を写真と共に発信中。

長野市から車で約50分。志賀高原の麓に、昔ながらの温泉街「渋温泉」が静かに広がっています。
石畳の路地、木造旅館、湯けむり。

どこか懐かしさを感じる景色が続き、初めて訪れた人でも自然と肩の力が抜けていく場所です。

渋温泉の最大の特徴は、九つの外湯(1〜9番湯)を巡る“湯巡り文化”が今も残っていること。
宿泊すれば、すべての外湯に入れる特別な体験ができます。


渋温泉とは?|昔から“生活の中にある温泉街”

渋温泉は1300年以上の歴史を持つ温泉地で、旅人を癒やす湯治場として長く親しまれてきました。
温泉街の中心には石畳の細い路地が通り、旅館や外湯がコンパクトに集まっています。

特徴は、観光向けというより “地元の生活と温泉が重なっている” ところ。
外湯の掃除や温度管理は、今も地域の方々が行っています。

そのため、渋温泉の湯は「観光施設」ではなく「地域の大切な湯」。
その温もりは、街を歩くと自然に伝わってきます。


渋温泉の九つの外湯|源泉かけ流しの湯を歩いて巡る(完全版)

渋温泉には、1〜9番湯までの共同浴場があり、すべて源泉かけ流し。
湯温や効能、湯船の造りがそれぞれ違うため、回るほどに温泉の奥深さを感じられます。

旅館に宿泊すると「外湯の鍵」を借りて、九つすべて利用可能。
唯一、9番湯のみ日帰り入浴(有料)ができます。


1番湯|初湯(はつゆ)

特徴: 渋温泉の“入り口”のような、ぬるめで優しい湯。
効能: 神経痛、冷え性
雰囲気: 小さめの湯船で、散策前の体慣らしにちょうど良い温度。


2番湯|笹の湯(ささのゆ)

特徴: やや熱めの湯で、体がしゃきっとする感覚。
効能: 皮膚病、湿疹
雰囲気: 地元の利用も多く、生活に根ざした“共同浴場らしさ”が強い。


3番湯|綿の湯(わたのゆ)

特徴: “美肌の湯”として知られ、湯上がりの肌がしっとり整う。
効能: 皮膚病、美肌
雰囲気: ほんのり白濁した柔らかい湯。女性人気が高い外湯。


4番湯|竹の湯(たけのゆ)

特徴: 少し熱めのすっきりした湯。
効能: 腰痛、肩こり
雰囲気: 昔ながらの浴室で、素朴な共同浴場の雰囲気が楽しめる。


5番湯|松の湯(まつのゆ)

特徴: 湯温が変わりやすく“熱め”の日が多い。
効能: 神経痛、関節痛
雰囲気: 地元の利用も多い静かな外湯。


6番湯|目洗いの湯(めあらいのゆ)

特徴: 名の通り昔は“目を洗った”と言われる歴史の湯。
効能: 眼病、疲れ目
雰囲気: 小さな湯船で落ち着いた空間。


7番湯|七繰の湯(ななぐりのゆ)

特徴: 比較的入りやすい温度。スッと馴染むやさしい湯。
効能: 関節炎、皮膚病
雰囲気: 浴室が明るく、初心者にも入りやすい外湯。


8番湯|神明滝の湯(しんめいたきのゆ)

特徴: 名前の通り、滝のように湯が注ぐ湯口が特徴的。
効能: 火傷、切り傷
雰囲気: 小ぢんまりとした外湯で、落ち着いて入れる。


9番湯|渋大湯(しぶおおゆ)

特徴: 渋温泉で最も大きく、唯一の日帰り入浴が可能。
効能: 胃腸病、リウマチ
雰囲気: 広めの浴室で、観光客にも人気の“顔”となる外湯。

日帰り入浴はここだけ(有料)
ドライブ旅の立ち寄りにも最適!


外湯の利用時間

6:00〜22:00(清掃時間あり/要確認)
※宿泊者は「外湯の鍵」を使用して入浴します。
※9番湯のみ日帰り可。


九湯めぐりの回り方(おすすめ順)

渋温泉の湯は熱めが多いので、無理せず分けて巡るのがコツ。

🔹ゆっくり巡りたい人

1番湯 → 3番湯 → 街歩き → 7〜8番湯 → 翌朝に残り

🔹体をしっかり温めたい人

2番湯 → 5番湯 → 6番湯 → 9番湯で仕上げ

🔹時間が少ない人(短時間)

3番湯(美肌)+ 9番湯(代表湯)で満足度が高い


石畳の温泉街を歩く|浴衣で歩くレトロな時間

渋温泉

渋温泉の温泉街は徒歩で十分に楽しめます。
浴衣に下駄というスタイルが、街の雰囲気に自然と馴染む場所。

  • 明治から続く木造旅館
  • 路地に漂う湯けむり
  • 湯上がりの甘い香りが漂う「小古井菓子店」の温泉饅頭
  • レトロ雑貨が並ぶ小さな店
  • コーヒーが美味しいカフェ「fumikura」

夕暮れに街灯が灯り、石畳に反射して揺れる光は、旅情そのもの。
湯上がりの火照りを冷ましながら歩くこの時間が、渋温泉の醍醐味です。


志賀高原とのセットで楽しむ渋温泉|季節ごとの魅力

渋温泉は志賀高原の玄関口にあり、季節の旅行と組み合わせやすい立地です。

  • 春:新緑が鮮やかでドライブが気持ちいい
  • 夏:避暑地として涼しい
  • 秋:山一帯が紅葉する絶景
  • 冬:スキー場・スノーモンキー観光が人気

志賀高原までは車で約15〜20分。
ドライブ旅との相性が良く、どの季節にも魅力があります。


アクセス・駐車場情報

車の場合

  • 上信越自動車道「信州中野IC」から約20分
  • 温泉街周辺に観光駐車場が複数あり、ドライブでも安心

電車の場合

  • 長野駅 → 長野電鉄「湯田中駅」
  • 湯田中駅から渋温泉へはバス・タクシーで約7分

滞在モデルコース(1泊2日)

<1日目>

  • 到着
  • 1〜3番湯で軽く温まる
  • 石畳を散策
  • 夜の外湯を数カ所巡る
  • 宿でゆっくり夕食と温泉

<2日目>

  • 朝の静かな外湯を2〜3湯
  • 温泉饅頭を買ってチェックアウト
  • 志賀高原へドライブ

外湯だけでなく、街歩きとの組み合わせが“渋温泉の良さ”を最大に引き出してくれます。


旅の締めは、心ほどける湯時間

源泉かけ流しの湯に浸かり、街を歩き、湯治文化に触れる。
派手な観光地ではないけれど、静かに自分を整える旅ができる場所。

次の休日、ゆっくり温まりたい人にこそおすすめしたい温泉地です。

心と体をそっと休ませてくれる温泉旅が、ここにはあります。

次の休日は、ぜひ渋温泉へ。
ゆっくり、のんびり、じんわり温まる時間が待っています。

momo

本州を中心に車中泊旅やNZバックパッカー旅を経験。
現在は温泉地に暮らし、家族で温泉やアウトドアを満喫中。
旅や暮らしの瞬間を写真と共に発信中。

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