北海道の最東端、オホーツク海と根室海峡に囲まれた知床半島。
ユネスコ世界自然遺産に登録されるこの地は、手つかずの原生林、豊かな海洋資源、そして野生動物の宝庫です。
僕は日本一周中に知床半島を訪れましたが、日本離れした雄大な絶景と、野生動物と人間が共生しているこの地にこんな場所が日本にあったんだと感銘を受けました。
夏は爽やかな気候と青々とした森、冬は流氷と厳しい自然の造形美。季節ごとにまったく違う顔を見せる知床は、一度訪れるとその奥深さに魅了されます。
この記事では、知床を訪れるなら絶対に外せないおすすめスポットと、旅をより充実させる実用情報をまとめました。
1. ゴジラ岩観光の遊覧船|海からしか見られない断崖と野生動物

知床の景観を最もダイナミックに体感できるのが遊覧船クルーズです。
安全管理もバッチリで、安心して楽しむことができるおすすめのクルーズです!
各名所ごとに案内も丁寧にしてくれて、海の上から知床半島の美しさを感じることができます。
ウトロ港を拠点とする「ゴジラ岩観光」では、目的や所要時間に応じて3つのコースが選べます。
知床岬コース(約3時間15分)
- 出発時間:9:00/13:30
- 料金:大人13,000円、小学生6,500円
- 運航期間:6月1日〜9月30日
- 最低運航人数:7名〜
半島の最先端・知床岬まで行くロングクルーズ。
沿岸には高さ100mを超える断崖が連なり、ハマナスの花やアザラシ、ウミウ、そしてヒグマなどが観察できることもあります。
おすすめポイント
天気が良ければ、岬の先端でオホーツク海と根室海峡の境界線が見えることもあります。
ルシャコース(約2時間)
- 出発時間:10:00/14:30
- 料金:大人8,000円、小学生4,000円
- 運航期間:4月28日〜10月20日
「ヒグマの聖地」と呼ばれるルシャ地区を巡るコース。
ここは陸路ではアクセスできないため、船からしか見ることができません。
サケやマスを追うヒグマの姿を高確率で見られる、動物好きにはたまらない内容です。
僕が利用したのがこのコースでしたが、海の上からヒグマを見て楽しむことができました!
硫黄山コース(約1時間)
- 出発時間:8:45/13:15
- 料金:大人6,000円、小学生3,000円
- 運航期間:4月28日〜5月31日/10月1日〜10月20日
短時間で知床の海を楽しみたい方におすすめ。
噴煙を上げる硫黄山や、赤い足が特徴的な海鳥「ケイマフリ」に出会えるかもしれません。
クルーズ利用のコツ
- 海上は体感温度がかなり低いので、防寒着は必須
- 双眼鏡を持参すると動物観察がより楽しい
- 酔いやすい人は酔い止め必須
2. 知床五湖|大自然と野生動物の共存を感じる

知床観光の象徴ともいえる知床五湖。
原生林の中に大小5つの湖が点在し、知床連山や周囲の森を鏡のように映し出します。
- アクセス:ウトロ市街から車で約20分
- 散策方法:
- 高架木道(全長800m)
湖1つを展望できるバリアフリー木道。ヒグマの出没有無に関わらず通行可能。 - 地上遊歩道(全長3km/1時間半程度)
5つすべての湖を巡るコース。ヒグマ活動期(5月〜7月頃)はガイドツアーか安全講習の受講が必要。
- 高架木道(全長800m)
季節ごとの見どころ
- 春(5〜6月):雪解け水で湖面が満たされ、新緑が美しい
- 夏(7〜8月):青空と深緑が湖面に映えるベストシーズン
- 秋(9〜10月):紅葉が湖と山を彩り、写真スポットとして人気
エゾシカやキタキツネ、リスなどの野生動物にも出会えることがあります。
3. 熊の湯|羅臼の無料露天風呂で地元体験
知床横断道路を羅臼方面に下った川沿いにある、無料の露天風呂・熊の湯。
地元の漁師さんが管理しており、観光客も歓迎されますが、いくつかのルールがあります。
- 泉質:硫黄泉、源泉かけ流し(温度は高め)
- 設備:男女別露天風呂、簡易脱衣所あり
- 利用時間:日の出〜日没(夜間利用不可)
- 注意点:
- 撮影禁止
- 長湯せず譲り合う
- 石鹸・シャンプーの使用禁止(環境保護のため)
冬は雪景色を眺めながらの温泉が格別ですが、防寒対策と足元の滑りに注意しましょう。
4. 野生動物ウォッチング|ヒグマ・シャチ・イルカとの遭遇

知床は日本でも珍しい陸と海、両方での野生動物観察が可能な場所です。
- 陸上:ヒグマ、エゾシカ、キタキツネ、シマフクロウ
- 海上:シャチ、ミンククジラ、イルカ、アザラシ、トド
特に6月〜7月はシャチ、8月〜9月はサケを狙うヒグマ、冬は流氷とともにやってくるアザラシなどが見られます。
安全に観察するためには、ガイド付きのツアーや遊覧船利用が必須です。
5. 知床峠の星空観察|光害ゼロの絶景

標高738mの知床峠は、ウトロと羅臼を結ぶ知床横断道路の最高地点。
街灯もほぼなく、晴れた夜には満天の星空と天の川がはっきりと見えます。
- アクセス:ウトロから車で約30分、羅臼から約40分
- ベストシーズン:5月〜10月(冬期は道路通行止め)
- 持ち物:防寒着、懐中電灯、カメラ三脚
夏は天の川が頭上を横切り、秋は空気が澄み星がよりくっきり見えます。
星空撮影は長時間露光+広角レンズがおすすめ。
6. 知床旅行のモデルプラン(夏季)
1日目
- 午前:ウトロ着、知床五湖散策
- 昼:ウトロ市街で海鮮ランチ
- 午後:遊覧船ルシャコースでヒグマ観察
- 夜:知床峠で星空観察
2日目
- 朝:熊の湯で朝風呂
- 午前:羅臼でホエールウォッチング
- 昼:羅臼名物・黒ハモ丼
- 午後:知床自然センター見学
まとめ
知床は、遊覧船から望む断崖絶壁、知床五湖の静寂、熊の湯での温泉体験、野生動物との出会い、満天の星空まで、非日常が凝縮されたエリアです。
訪れる際は、自然への敬意と安全対策を忘れず、四季ごとの魅力を楽しみましょう。
一度足を踏み入れれば、きっと「また来たい」と思える旅になるはずです。
安全のための熊対策と注意ポイント
羅臼岳での事故について(2025年8月14日・最新)
2025年8月14日、羅臼岳(しれとこ山岳域)において、登山中の26歳の男性がヒグマに襲われ、死亡する事故が発生しました。知床山域では63年ぶりの致命的な熊による事故とのことです
熊遭遇のリスク認識と装備準備
- 単独行動の回避:登山・トレッキングや五湖散策などはグループで行うことが安全です。
- 熊鈴やホイッスルの携帯:音を出すことで熊に対して人の存在を予告し、接近を避ける効果がありますアウトドア用品研究室(寝袋&マット)〖公式サイト〗。
- ベアスプレーの常備:北海道など熊出没地域では携行が推奨されています。誤噴霧を避け、使用方法を事前に確認しておきましょう アウトドア用品研究室(寝袋&マット)〖公式サイト〗+2FNNプライムオンライン+2。
行動の注意点
- 見通しの悪い場所では特に警戒:濃霧や深い森では熊が近くにいても気づかないことがあります。
- 登山道の脇や藪には近づかない:これらは熊の野生動物行動エリアである可能性が高く、遭遇リスクが高まります。
- 事前の情報収集:役場や宿泊施設で最近の目撃情報や出没状況を把握し、最新の注意案内に従ってください。
緊急時の対応
- すぐに複数人で行動を共にする:単独での対処は非常に危険です。
- 低姿勢で後退し、刺激を与えない:威嚇や鋭い声などで熊との衝突を回避する行動が効果的です。
- 熊に襲われた場合の行動:倒れて手足をなるべく守り、目をそらさずに静かに振る舞うことも有効とされています。