はじめに
旅には、地図には載っていない出会いがあります。
カメラを片手に全国を旅していた僕にとって、最も心に残っているのは、景色でも名物グルメでもなく「人」でした。
青森のねぶた祭りの夜にみんなで語り合った時間。偶然同じ場所に居合わせた人との、たった数分の会話。
旅人たちの言葉や生き方は、僕の中にあった「常識」や「こうあるべき」を、やわらかくほぐしてくれました。
そんな“人生の転機”となった出会いたちを、この記事では綴っていきます。
また、この記事の最後には、
「あなたがなぜ旅に出たいのか。」を明確にするためのステップワークもあるので実践してみてください!

1. 旅人は「答え」より「問い」をくれる人たち
十人十色の旅スタイルに出会って

旅の途中、本当にたくさんの旅人たちと出会いました。
年の近い人もいれば、定年後に一人旅を始めた高齢の方も。歩いて旅している人、リアカーを引いて旅をしている人、軽バンで日本を巡る人……本当に十人十色でした。
驚いたのは、みんな旅に出る“理由”が違うこと。
でも、共通していたのは「自分で選んだ道を歩いている」ということでした。
だからっこいいんです。
誰かに言われたからではなく、自分の内側の声に従って、今ここにいる。
そんな人たちと出会うたびに、「じゃあ自分は何のために旅をしてるんだろう?」「本当にやりたいことってなんだろう?」と、自分に問いかけるようになりました。
旅人は、何かを教えてくれる“先生”ではありません。
でも、その生き方が、僕にたくさんの「問い」をくれました。
その問いは、今も僕の心の奥で、静かに灯り続けています。
2. 利尻島で出会った“ひだまりみたいな人”

北海道・利尻島のキャンプ場で出会った、ある男性のことは、今でも僕の記憶にあたたかく残っています。
その方は千葉に住んでいるそうで、毎年夏になると利尻島で過ごすのが恒例とのことでした。
僕たちがキャンプ場に到着したその日、自然とその人の周りに人が集まっていて、初対面にもかかわらず、まるで昔からの知り合いのように受け入れてくれたのです。
大きな声で話すわけでもなく、ただそこに“いる”だけで場の空気がやさしくなるような、まさに“ひだまり”のような存在でした。
その人の笑顔やふとした気遣いに触れるたび、「やさしさって、理屈じゃなくて、空気で伝わるものなんだな」と実感しました。
旅には、こんなふうに思いがけない出会いが待っています。
ただの観光地巡りでは味わえない、心を動かす瞬間。
そしてその記憶は、風景や食べ物以上に、旅の価値を深めてくれるのです。
3. SNSやYouTubeを通じて旅をしている仲間たち

また、旅中はSNSを駆使して旅する人とも数多く出会いました。
YouTubeで旅の様子を発信している人。Instagramで撮った写真を通じて繋がっていく人。リゾートバイトをしながら全国を転々としている人……。
それぞれが、それぞれの“旅の形”を生きていて、そこに「正解」なんてないと気づかされました。
「自分らしい生き方」を模索しながら、楽しみながら、発信し続ける人たちの姿は、何よりの刺激になりました。
彼らの姿を見て、僕も「旅をしながら働く」という選択肢を真剣に考えるようになり、実際に行動に移しました。
今、僕がこうして旅と仕事を両立できているのは、あのとき出会った仲間たちの姿が背中を押してくれたからです。
4. 海外の旅人たちがくれた「もっと世界を見たい」という気持ち
僕が出会ってきたのは、日本人の旅人だけではありません。
海外から来た旅人たちとの交流も、僕の価値観を大きく広げてくれました。
日本語が通じない状況でのやりとり。僕自身も英語がうまく話せなかったけれど、たどたどしい英語での自己紹介や、お互いの旅の話。
国も言語も文化も違うはずなのに、不思議と「旅」というキーワードがすべてをつないでくれたのです。
彼らは、時に自由奔放で、時に哲学的な視点で旅をしていました。
そして何より、世界中のあらゆる場所に興味を持ち、「知らない世界に触れる」ことに貪欲でした。
そんな姿を見て、「自分ももっと広い世界を知りたい」と思うようになりました。
まだ見ぬ国々の景色や文化、人との出会いが、僕の旅の視野をもっともっと広げてくれる気がしています。
5. 別れが教えてくれた“今を大切にする”ということ
旅は「出会い」だけでなく、「別れ」もセットでやってきます。
せっかく仲良くなれた人と、翌朝には別の方向へ。もう二度と会えないかもしれない。それが旅のリアルです。
でも、だからこそ1日1日の出会いが奇跡のように感じられるし、「今、この瞬間を大切にしよう」と心から思えるようになりました。
旅先で過ごす数時間の中に、何気ないひと言や笑顔が、かけがえのないものとして残っていく。
旅を重ねるうちに、「一期一会」という言葉の本当の意味が、少しずつ身体に染み込んでいった気がします。
「また、どこかで!」
そう言って別れる時にはお互いに自分も選んだ道を信じているし、同時に次の再会を楽しみにしています。
不思議とまたどこかで会える気がするので、寂しくはありません。
自分が旅に出たい理由を見つけるステップワーク
この記事を読んで「旅に出たい」と感じたあなたへ。
その気持ちをもっと深く掘り下げ、自分の中にある“旅の動機”を明確にするための3ステップワークをご用意しました。
このワークを通じて、あなただけの「旅に出る理由」が見えてくるかもしれません。
ステップ1:過去の「心が動いた瞬間」を思い出す
- 最近感動した出来事は?
- ワクワクした瞬間は?
- 涙が出た、胸が熱くなった体験は?
思い出せるだけ、紙やスマホに書き出してみましょう。
ステップ2:自分の中の「違和感」に気づく
- 今の生活に不満や窮屈さを感じることは?
- SNSで誰かの旅の投稿を見たとき、どんな気持ちになった?
- 本当はやってみたいのに、我慢していることは?
違和感は、あなたの“本音”を教えてくれます。
ステップ3:「それでも旅に出たい理由」を言語化する
ステップ1と2で書き出した感情や気づきから、あなたが旅に出たい理由を一文でまとめてみましょう。
たとえば、 「もっと自由に、自分のペースで生きたいから」 「新しい人と出会い、視野を広げたいから」 「今の自分を変えるきっかけが欲しいから」など。
大切なのは、正解のある答えではなく、“あなたにとっての真実”です。
このワークをPDFでもまとめています。 「旅に出たい理由を見つけるワークシート」を無料配布中!
下のリンクからダウンロードして、印刷して、ぜひ紙に書き出してみてくださいね!
「旅に出たい理由を見つけるワークシート」ダウンロードはこちら!
おわりに
旅は景色や観光地だけでなく、「誰と出会うか」で大きく色づきます。
社会福祉士として働いていた頃、たくさんの人と関わる中で「人が好きだ」と感じていましたが、旅を通じてその思いはさらに深まりました。
これからも、もっと多くの人と出会いたい。もっと世界を見て、知らない価値観に触れたい。
そんな思いを胸に、今日も僕は旅を続けています。
この記事が、旅をしてみたいと思っている方の背中を、そっと押すことができたら嬉しいです。