旅を通して感じる新たな価値観

旅のストーリー
旅のストーリー

旅は人生や価値観に大きな影響を与える、プライスレスな経験だと僕は思います。

SNSなどのメディアが急速に発展したことにより、家にいながらスマホやパソコンを開くだけで欲しい情報が簡単に入ってくる時代です。

しかし、それは「誰かが言ったこと、見たもの、思っていること、感じたこと」に過ぎません。

自分がどこに行って、誰に出会って、何を見て、何を感じるか、自分軸で考えられるチャンスは旅の中にあります。

この記事では僕がこれまでの旅で感じた新たな価値観を「出会い」と「見たもの」の2つに分けて皆さんにお話しします。

出会って感じた新たな価値観

旅の醍醐味は人それぞれですが、「出会い」も新たな価値観を引き出してくれる旅の魅力です。

僕は19歳の時、バイト代を貯めてヨーロッパ一人旅に行きました。

自分で計画して一人で海外に行くのはこれが初めてだったこともあり、知識も経験も乏しかった僕は「旅先での英語力向上には対話が必要、スマホがあったらダメだ」と思い、インターネットなしで1ヶ月のバックパッカー旅を始めました。

自分の現状に気付く

現地に着いてすぐ自分の英語力の未熟さに気づきました。ファストフード店での注文も上手くできない、民泊のオーナーが言っていることも理解できない。

言葉が通じないことで人との関わりや外出を避けるようになりました。

この状態では、どこに行くにも道中のマクドナルドやスターバックスの外壁に寄りかかってWi-Fiを頂戴しながら、どうにか生活していました。

それでも1ヶ月も旅をしていれば、人に聞かなければどうしようもない瞬間が何度か訪れます。

しかし、つたない英語で勇気を振り絞って話しかけても、無視されたり、片手で払われたり、全員が助けてくれるわけではありませんでした。

そこで僕は、子供の前なら親は積極的に助けてくれるだろうと考え、子連れの家族を狙って道を聞くことにしました。

この作戦は成功し、「子連れの親」、「目が合った時に微笑んでくれる人」は高確率で助けてくれるということがわかりました。

アムステルダムでの出会い

そんなある日、オランダのアムステルダムを訪れていた僕は、アムステルダムの高すぎる物価の影響で中心地から少し離れた場所の民泊を予約するしかなく、一通り中心地の観光を終えた後、バスに揺られて民泊近くまで辿り着きました。

そこは閑静な住宅街で人通りも少なく、Wi-Fiも拾えない状況。さらに日も暮れはじめていました。

途方に暮れていると、1人の男性が家の中に入って行こうとしているのが見えました。

僕にはその彼に話しかけるしか選択肢はなかったので、勇気を振り絞って声をかけ、住所を見せると「その住所は確かにこの近くだね、調べてあげるからおいでよ」と素性も知らない謎のアジア人(僕)を家にあげてくれました。

家の中には奥さんと犬がいて、突然知らないアジア人が来たにも関わらず、奥さんも「どうしたの?」くらいの反応で、彼がパソコンで住所を調べて「やっぱり近いね!一緒に行こう。」と僕の民泊先まで送ってくれた彼のお陰で僕は無事民泊にたどり着き、野宿を回避できました。

あの時は必死だったこともあり、深く考えていませんでしたが、見返りを求めず見ず知らずの旅人を助けてあげる。その優しさは誰でもできることではありません。

人は誰かに優しくされた経験があると、他者にも優しくできます。

あの時の恩を彼に返すことは難しいけれど、他の誰かを助けてあげることは僕にもできます。

それが連鎖すれば、もっと優しい世界になるのではないかなと思ったオランダでの出会いでした。

見て感じた新たな価値観

ヨーロッパ一人旅を終えた僕は英語が通じなかった悔しい気持ちを持ったまま日本での日常(大学生活)に戻りました。

幸いにもここで僕の海外への熱が消えることはなく、次の旅に向けて再度英語学習に力を入れつつ、バイトにもかなり力を入れました。

新たな旅先マレーシア

当時大学生で予算も限られている僕は費用が抑えられ、比較的英語が通じやすいマレーシアへの渡航を決めました。

マレーシア旅は約1週間の短い日程でしたが、バイト代を貯めて買った、かっこいいブランド物の服を身につけて現地に到着。

当時20歳の僕にとって、ブランドものを身につけて海外旅行に行くというのは大学生のステータスだったので、まさに完璧だと思っていましたが、マレーシアで価値観を大きく揺さぶられることになります。

外見だけで中身のない自分

2019年、当時日本とマレーシアには国としてまだまだ発展度合いの違いがあり、マレーシアはそこまで裕福な国ではなかった印象です。

そのため高級なブランドではなく、その偽物を身につけている若者も多く、暑さのせいで上半身裸で歩く男性も多く見かけました。

そんな環境において、本物のブランド品を持っている僕は胸を張って歩ける状況でしたが、逆に安い服を着ていたり、上半身裸の彼らの方が笑顔で明るく、自分そのものとして生きている気がして輝いて感じました。

結局当時の僕は、自分自身への自信の無さをモノで誤魔化そうとしていただけで、中身は何もない、取り繕っているだけの偽物なんだと彼らを見て気づき、それから高い服を着れる人間ではなく、どんな服も似合う中身のある人間になりたい。そう思うようになりました。

今、自分がその目標に達しているかはわかりませんが、誰かの目に「この人輝いてるな」と映ればそれで十分かもしれません。

マレーシア旅は僕にとって自分と価値観を見直すきっかけとなり、今でも自分自身に問いかけ続ける重要な経験です。

Jake

これまで世界30カ国以上渡航、ヨーロッパ移住や一人アマゾン川旅、アフリカ縦断など様々な経験から旅を通して得た新しい価値観や旅の魅力を自分目線で発信しています。
他の誰かには書けない、実際に体験した僕だから書けるリアルが誰かにとってプラスな影響を与えられると信じて日々文章を綴っています。

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